諸口[しょくち]とは【意味・勘定科目の使い方・仕訳例】

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  • 諸口(しょくち)とは、借方と貸方で1:1にならない1つの取引を、単一仕訳で処理する場合に使用する科目。
  • 同じ取引を複合仕訳で処理する場合、仕訳には使われないが総勘定元帳の相手勘定科目に表示されるケースがある。
  • 総勘定元帳に表示される諸口は、相手勘定科目を1つに特定できないという意味で使われる。

諸口とは?諸口の意味

諸口の読み方は「しょくち」です。簿記においては単一仕訳の際、借方と貸方の勘定科目が1:1にならず複数行になる場合に穴埋めをするための使い方をします。

ただし、通常会計ソフトを利用する場合は単一仕訳ではなく複合仕訳を使って仕訳する方法が一般的で、その場合は仕訳に諸口は登場しません。

複合仕訳の場合は借方と貸方の勘定科目が1:NやN:1になる場合があり、1の勘定科目から見た相手勘定科目が諸口と表現されます。

諸口を使った単一仕訳と複合仕訳の比較例

10万円の売掛金が、500円振込手数料を差し引かれて99,500円銀行口座に振り込まれた。
単一仕訳の場合
借方勘定科目金額貸方勘定科目金額
諸口100,000売掛金100,000
普通預金99,500諸口99,500
支払手数料500諸口500

複合仕訳の場合

借方勘定科目金額貸方勘定科目金額
普通預金99,500売掛金100,000
支払手数料500

諸口を使った単一仕訳の考え方

上の例をもう少しわかりやすくしたものが以下の画像です。

売掛金:100,000円
普通預金:99,500円
支払手数料:500円

これはいずれも金額が不一致であり、単一仕訳では貸借の金額を一致させないといけないので、それぞれの相手勘定科目の穴埋めとして諸口が使用されます。

諸口を使った単一仕訳の考え方1
諸口を使った単一仕訳の考え方2

諸口を使わない複合仕訳の考え方

同じ内容を複合仕訳で処理する場合は、以下のように借方と貸方の金額の合計が一致していればOKです。借方と貸方の行数が一致していなくても問題ありません。
諸口を使わない複合仕訳の考え方

総勘定元帳に諸口が表示されるケース

複合仕訳で仕訳する場合は総勘定元帳に「諸口」が登場します。

例えば、給料手当の支払いは源泉徴収や住民税、などを「預り金」、雇用保険などを「立替金」、天引きした残りを翌月払いの場合は当月「未払金」で仕訳します。

freeeを使った複合仕訳

この場合、給料手当の295,000円と一致する金額の明細は存在しないので、総勘定元帳で給料手当の勘定科目を見ると、相手勘定科目が複数という意味で「諸口」が使われます。

freeeの総勘定元帳の諸口表示

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