現金出納帳とは【書き方の具体例・ずれた場合の対応】

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現金出納帳とは

現金出納帳とは

現金出納帳(げんきんすいとうちょう)とは、現金の取引(銀行振り込みやクレジットカードなどの現金ではない取引は対象外)について、記録をするための帳簿で、帳簿の残高と実際の現金の残高が常に一致するように使います。

具体的には、上のサンプルのように、売り上げを現金で受け取る場合や、電車やバスの運賃を現金で支払う場合など、細々とした現金の動きを全て記載します。事業における家計簿のようなものです。

なお、現金出納帳は「現金出納簿」「金銭出納帳」と言うこともあります。会計帳簿の中で、主要簿(総勘定元帳と仕訳帳)を補助するための補助簿に位置付けられます。

現金取引を減らして現金出納帳はできるだけ使わないことが効率化のポイント

一昔前は手書きやエクセルの現金出納帳が使われていましたが、クラウドの時代においては、銀行振り込みデータやクレジットカードの利用明細はクラウド会計ソフトに自動的に吸い上げられます。

つまり、現金を使わないことでどんどん経理処理が自動化されて、現金取引を全てやめると現金管理も不要になります。キャッシュレスは手数料がかかるのはデメリットですが、それ以上のメリットがあります。

現金出納帳の書き方

見本例を参照しつつ、現金出納帳の項目別の書き方を説明します。
現金出納帳の書き方

①日付

実際に入金した日、出金した日など現金が動いた日付を記載します。領収書の日付と現金が動いた日付が異なる場合は適用に領収書日付を記載します。

同じ日に収入と支出のどちらもあった場合は、合算して1行にまとめず、全て別の明細として記載します。

②相手科目(勘定科目)・補助科目

現金の相手科目となる勘定科目を記載します。取引先など定常的に補助科目を使用している場合は補助科目も入力しておくと後々のデータ入力の時に楽になります。

支出の勘定科目については個人事業主の経費一覧にまとめています。

③摘要

現金の使い道、現金が増えた理由を記載します。内容はできるだけ詳細に書きます。

④収入・支出・残高

売上があった場合など現金が増えた場合は収入の列に、現金払いがあった場合は支出の列に記載します。銀行口座から現金を引き出した場合は現金出納帳としては収入になります。

足し引きした結果を残高に記載し、残高の金額と実際に手元にある現金の額が一致していることを確認します。

現金出納帳と仕訳の関係

現金出納帳は現金の仕訳をまとめた帳簿になります。上の現金出納帳サンプルから、仕訳例を以下に示します。

A社からの現金で売上10万円を受け取った
借方勘定科目金額貸方勘定科目金額
現金100,000売上高100,000
82円切手を現金で購入した
借方勘定科目金額貸方勘定科目金額
通信費82現金82

現金出納帳と実際の現金がずれている場合の書き方

ズレが発生した場合はズレた分だけ現金を足したり引いたりすることは厳禁です。

原因を調査して差額を調整する明細を作成します。その場合は「現金過不足」の勘定科目を使用して以下のように調整します。

実際の現金が1,000円少ない場合の書き方

支出1,000円として、残高から引きます。摘要には「現金残高を実際有高(実際の手持ち現金)に修正」と記載します。

実際の現金が1,000円少ない場合の現金出納帳の書き方

実際の現金が1,000円多い場合の書き方

収入1,000円として、残高に足します。摘要には「現金残高を実際有高(実際の手持ち現金)に修正」と記載します。

実際の現金が1,000円多い場合の現金出納帳の書き方

現金過不足の勘定科目はあくまで一時的な処理であり、過不足の理由を調査する必要があります。過不足の調整の仕訳例は以下のとおりです。

現金が足りなかった理由が消耗品を購入していたと後で判明した場合
借方勘定科目金額貸方勘定科目金額
消耗品費1,000現金過不足1,000
現金が多かった理由が消耗品購入の金額を多く計上しすぎていた後で判明した場合
借方勘定科目金額貸方勘定科目金額
現金過不足1,000消耗品費1,000

なお、差額の原因が一年の最後まで不明だった場合(現金過不足の勘定科目が残っている場合)は、確定申告のタイミングで最終的に「雑損失」若しくは「雑収入」の勘定科目で処理します。

現金出納帳の作成は会計アプリ(会計ソフト)が楽

会計アプリ(会計ソフト)を使うと現金を使ったその場でスマホで仕訳を作成することができます。手動でも入力できますし、レシートを撮影して自動入力も可能なので、完全に家計簿感覚で使うことができます。

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