個人事業主向けの会計ソフトは初期費用が無料でお試しができるクラウド型の会計ソフトが導入も手軽で利便性も高くおすすめです。クラウド会計ソフトは初心者向けのfreee、最も自動連携数が多く複式簿記形式で入力できるマネーフォワードクラウド会計・確定申告、シェアNo.1で安心感があるやよいの青色申告オンラインの3種類があります。
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個人事業主向け3大クラウド会計ソフトに共通している点
銀行やクレジットカードと連携して自動仕訳できる
クラウド会計ソフトの最大のメリットが銀行のインターネットバンキングやクレジットカードのIDとPWを入力して連携することで毎日銀行やクレジットカードの明細を取り込んで、仕訳の元データを作ってくれることです。freeeとマネーフォワードクラウド確定申告は自社開発であるため連携がスムーズかつ連携数が多いのですが、やよいの青色申告は他社サービスとの連携なのでひと手間多いのがデメリットです。
クラウドなのでMacで使える
WindowdsでもMacでも、クラウド型なのでインターネット環境があればどこでも使える点がメリットです。スマホやタブレットでも使えますが、パソコンのほうが快適に使えるでしょう。ただし、ブラウザで使うためインストール型の会計ソフトと比べると若干もっさりする感があります。
また、クラウドのメリットとしては場所を選ばず利用できる=税理士先生にもわざわざデータを送らなくても税理士先生のメールアドレスでもログインできるように設定しておけば勝手に見てもらうこともできます。
アプリでも使える
freeeとやよいの青色申告オンラインは仕訳を登録することができるアプリがあります。2社のアプリではレシートをスマホのカメラで撮影してデータ化することも可能です。ただし、コンビニレシートなど印字されたレシートはかなり正確にデータ化されますが、手書きの領収書などは正直厳しいのでデータ化した後修正が必要になるでしょう。
マネーフォワードクラウド確定申告のアプリはデータ参照のみ可能です。アプリを積極的に使おうと考えている人は注意しましょう。
無料でお試し可能
各社で無料期間が異なりますが、freee、マネーフォワードクラウド確定申告、やよいの青色申告オンライン(白色申告オンライン)全て無料でお試し利用することができます。個人事業主は無料期間を利用してどのクラウド会計ソフトが一番使いやすいかお試しして選ぶパターンが多いようです。
本格利用する場合はどのソフトも年間1万円前後
以下に三社の料金をまとめました。電話サポートがあるプランはfreeeはプレミアムプラン、マネーフォワードクラウドはあんしん電話サポート付きベーシックプラン、やよいはベーシックプラン、となりやよいが最も安く電話サポートが使えます。
(2019年6月5日追記)2019年6月からマネーフォーワードクラウド確定申告の料金が値上げされました。確定申告以外にも請求書、経費、給与、マイナンバーが全て使える共通プランに統一され、料金が上がったので確定申告だけ使いたい人も強制的に値上げになる形です。
会計ソフト | プラン | 支払い方法 | 月額(税抜) | 年額(税抜) |
---|---|---|---|---|
freee | スターター | 年額 | - | 9,800 |
月額 | 980 | 11,760 | ||
スタンダード | 年額 | - | 19,800 | |
月額 | 1,980 | 23,760 | ||
プレミアム | 年額 | - | 39,800 | |
MFクラウド確定申告 | パーソナルライト | 年額 | - | 8,800 ↓ 11,760 |
月額 | 800 ↓ 1,280 | 9,600 ↓ 15,360 |
||
パーソナル | 年額 | - | 23,760 | |
月額 | 2,480 | 29,760 | ||
パーソナルプラス(電話サポート付) | 年額 | - | 17,200 ↓ 15,360 |
|
やよいの青色申告オンライン | セルフプラン(初年度) | 年額 | - | 0 |
セルフプラン(二年目以降) | 年額 | - | 8,000 | |
ベーシックプラン(初年度) | 年額 | - | 6,000 | |
ベーシックプラン(二年目以降) | 年額 | - | 12,000 |
個人事業主向けクラウド会計ソフト各社で異なる特徴比較
【freee】簿記初心者や個人事業主1年目におすすめのクラウド会計ソフト
freeeは仕訳の入力が家計簿のような単式簿記(簡易簿記)形式なので、収入か支出を選んで説明付きのドリルダウンメニューから勘定科目を選ぶだけで、初心者でも簡単に仕訳ができる点がおすすめポイントです。勘定科目が分かっている人は文字列を入力すると自動的に絞り込んで候補を提示してくれます。
(2019年6月5日追記)freeeも複式簿記形式(振替伝票形式)の入力に対応しています。
仕訳の入力にはエクセル形式の高速入力形式もあります。こちらはマウスを使わずにTab移動でガシガシ入力する人におすすめです、が、やっぱりこちらも複式簿記入力はできないので、複式簿記入力になれている経験者の方にはおすすめしません。簿記の初心者や個人事業主一年目の人にはとっつきやすいと思うので初心者におすすめです。
また、freeeの大きな特徴はアプリで仕訳の作成だけでなく、確定申告ができてしまうところです。アプリが提示するステップに沿って進めていくと、確定申告に必要な手順を順番に処理できるようになっています。正直これは非常にわかりやすいと思います。
例えば、「源泉徴収をされている給与以外の収入はありますか?」「税理士や弁護士などに報酬を支払いましたか?」「仕入れた商品の中に在庫がありますか?」など、必須項目以外の人によっては入力が必要な項目についても質問形式ではい・いいえを選ぶとそれに応じた入力項目が出てきます。
税理士に頼まず自分で確定申告をしようと考えている個人事業主にはかなり心強い機能です。もちろん、パソコンでも同じように、流れに沿って必要項目を埋めることができます。
【マネーフォワードクラウド確定申告】自動連携機能が最も快適、簿記経験者がスムーズに入力できるが料金が高い
マネーフォワードクラウド確定申告は自動連携できる銀行やクレジットカード等がクラウド会計ソフトで最も多いのが特徴です。また、これは個人的な体感値ですが、自動連携の精度もfreeeと比べるとマネーフォワードクラウド確定申告のほうが高い気がします。
個人事業主には直接関係ありませんが、電子証明書が必要な法人口座も連携できるようになっています。(※別途マネーフォワードクラウド電子証明書連携ソフトをインストールが必要なのでWindows限定)
法人口座もスムーズに連携できるので、今後法人化も視野に入れている人はマネーフォワードクラウド確定申告⇒マネーフォワードクラウド会計と変更すればよいので、マネーフォワードクラウドが適しています。
ただし、2019年6月から料金が上がり、クラウド会計ソフトの中では最も値段が高いので確定申告以外の機能を使わない人はfreeeかやよいのほうがおすすめです。
通常の仕訳入力に関しては従来の会計ソフト同様に複式簿記形式なので、インストール型会計ソフトを利用していた人は違和感が全くないでしょう。freee同様エクセルのようにtabで移動しながらスムーズに仕訳をばしばし切れる仕訳帳入力が快適です。
借方の金額を入力してtabで移動すると、貸方も同様の金額で予測入力してくれるなど痒いところも考慮された機能で、使ってみるとかなり高速で入力することができるでしょう。
マネーフォワードクラウド会計・確定申告のアプリはデータ閲覧専用です。レシート撮影や自動仕訳・手入力の仕訳など全て手段でデータ登録できません。移動中や購入した直後にレシート撮影してデータ登録するような使い方はできないので、レシートが多い人はfreeeのがおすすめです。
【やよいの青色申告オンライン】老舗&シェアNo.1で安心して使える、セルフプランは1年間無料で年間料金も最安のクラウド会計ソフト
出典:クラウド会計ソフトの利用状況調査(2018年3月末)|MM総研
パッケージ版の会計ソフトでも実績があるやよいですが、クラウド版会計ソフトも上記の図のとおり2017年現在シェアNo.1です。
クラウド会計ソフトはセキュリティが心配という人も多くいらっしゃるかと思いますが、その点でやよいは社歴やクラウド型のサービス運営実績が最も長いため、システムトラブルやセキュリティインシデントに対する体制が整っていると言えます。
「Microsoftが提供するクラウドサービスのMicrosoft Azureを使っています」と公表している点はfreeeやマネーフォワードクラウド会計にはないポイントです。
また、以下のように弥生株式会社は黒字会社でもあります。クラウドサービスは運営会社が赤字だと突然サービスが終了する可能性があります。運営会社に永続性がある点も選ぶポイントになります。
売上高:161億3,800万円
売上総利益:138億1,800万円
営業利益:47億2,900万円
経常利益:43億9,400万円
当期純利益:16億1,700万円
利益剰余金:16億1,700万円
また、以前にパッケージ版の「やよいの青色申告」を利用していた人はスムーズにデータ移行することができます。freeeとマネーフォワードクラウド確定申告もやよいのデータをインポートできますが、インポートした後の使い勝手も考えると慣れているやよいが一番の候補になります。
やよいの青色申告オンラインのデメリットとしては、自動連係機能が外部のzaimやマネーツリーのような家計簿サービスとの連携なのでfreeeやマネーフォワードクラウドと比べると手間がかかります。
やよいだけではなく連携先のIDを作成してやよいと連携サービス間の連携設定も必要になります。また、自動仕訳機能の精度もマネーフォワードクラウドに比べると落ちる印象です。
手入力による仕訳入力画面に関してはベーシックな複式簿記形式の入力が可能ですが、freeeやマネーフォワードクラウド会計のような高速入力モードはありません。
タイプ別おすすめクラウド会計ソフト比較
簿記の知識や料金、機能の面からタイプ別のおすすめ会計ソフトをいくつか比較してみました。○が当てはまる数が多いクラウド会計ソフトを選ぶと満足度が高いと思うので参考にしてください。
一つ言えることは、どの会計ソフトも開発が進むとどんどん機能追加されていくということ。2019年現在では確定申告をするだけであればどのクラウド会計ソフトも同じです。値段でしかほぼ差がなくなってきているので、その点ではやよいが一歩リードしています。
どんな人におすすめ? | freee | MFクラウド | やよい |
---|---|---|---|
簿記の初心者 | ○ | △ | △ |
個人事業主一年目 | ○ | △ | △ |
税理士に頼む予定がない人 | ○ | △ | △ |
自分だけで確定申告する人 | ○ | △ | △ |
レシート撮影で仕訳登録をしたい人 | ○ | × | ○ |
アプリで確定申告したい人 | ○ | × | × |
簿記の経験者 | △ | ○ | ○ |
複式簿記形式で仕訳入力したい人 | △ | ○ | ○ |
将来的に法人化を検討している人 | △ | ○ | ○ |
税理士に頼む予定の人 | △ | ○ | ○ |
自動連係機能をフル活用したい人 | ○ | ○ | △ |
料金が安い会計ソフトがいい | △ | × | ○ |
シェアNo.1の会計ソフトがいい | ○ | △ | ○ |
老舗の会計ソフトを使いたい | △ | △ | ○ |
パッケージ版のやよいを使っていた | △ | △ | ○ |